#統計 統計学入門の講義で注意するべきことについてのスレッド 最も注意が必要なことは、 検定によって帰無仮説が棄却されても...

最も注意が必要なことは、
検定によって帰無仮説が棄却されても
それをそのまま現実の問題に関する解答だとみなしてはいけない
とはっきり教えることだと思います。
検定による帰無仮説の棄却は数学的フィクションに過ぎない。続く

* P値をデータとモデル+仮説の相性の良さ(compatibility)だと解釈
* 95%信頼区間は相性の良さが5%以上の仮説値全体の範囲
* 仮説値にP値を対応させるP値関数全体を視覚化
* S値=意外度でP値の小ささを直観的に把握
NHK高校講座では、片側P値が5%未満になっただけで【やっぱりこのコイン、細工されていたんだなあ】と判断して良いかのように教えていますが、これは全くのデタラメです。続く

有意水準5%の片側検定によって
【やっぱりこのコイン、細工されてたんだなあ。うん。ぼくの思った通りだったよ!こんなふうに数学的に確かめる方法があったんですね。すっきり~】
と述べているのは酷い。そんな方法はない。
nhk.or.jp/kokokoza/suuga…
これは日本だけではないと思われるので、大変に深刻な問題です。続く
Neyman-PearsonのPearsonもそういうデタラメを否定しています。
↓
だからそういう教え方をしてはいけないと結論せざるを得ない。
そういう数学的フィクションの結果を、現実の問題で活かすことは別問題になります。
でも、そういう教え方が初学者に通用するはずがない。
それでは二分法なしに教える方法はあるのか?続く
それは統計ソフトがアウトプットしてくれるP値について教えるという方針です。有意水準を設定しない限り、二分法は現れません。続く
仮説HのP値は統計モデル+仮説Hの組み合わせとデータの値の相性の良さ(compatibility)の指標の1つである
と教えることです。P値についてはこの解釈の仕方さえ知っていれば、計算法の詳細を忘れても実用的に利用できます。
仮説Hを満たす統計モデルの確率分布に従って生成された仮想的なデータから計算された仮説HのP値は0から1の間の一様分布に近似的に従う
という条件です。この条件がP値の実用性を支えています。
一様分布に近似的に従うことはコンピュータでチェックできれば十分。
統計モデル+仮説Hを信じている人にとって
偏りのないコイン投げでS回続けて表が出たのと
同じ程度に意外なデータの値が得られたことになる。
Sを意外度と呼びます。
例えばP値が4.9%の場合と5.1%の場合では科学的にほぼ同じ結論を出すことが要請されます。5%の閾値による二分法は否定される。
科学よりも慣習に基く権威の側を優先してしまうようだと、非常にまずいことになります。ここは絶対に譲れない点だと思います。
Lehmannの教科書も有意水準を設定せずにP値を報告することを認めています。

閾値を設定して無理して白黒つける必要はありません。
dichotomania(二分法への執着)のやまいは治療されるべき。
有害なのは、数学的フィクションと現実の混同。
モデルと現実の混同(model reification)は多くの統計学入門の解説に共通する病なので注意が必要。
常にモデルにパラメータθを入れておくことはゼロ仮説主義(nullism)の病対策のために重要。
信頼区間の構成でも必須。続く
パラメータθの点推定値は、仮説θ=aのP値が最大値の1になる数値aだと定義できます。
要するにP値は推定のための道具にもなっています!

Greenlandさんの説明
biostatistics.ucdavis.edu/sites/g/files/…
今までの教え方を否定することは、科学よりも伝統と権威に従いたい先生には無理だと思います。

これは歴史的な文献の部分的要約。
Neyman-PearsonのPearsonはFisherの「検定は「『学習の手段』である」という考え方に賛成していた。
scholar.google.co.jp/scholar?cluste…
PDF errorstatistics.com/wp-content/upl…
Statistical Concepts in Their Relation to Reality
E.S. Pearson
1955
少なくともPearson 1955の論文には反している。
この辺りの誤解も新しい教科書では訂正されるべき。

これは歴史的な文献の部分的要約。
Neyman-PearsonのPearsonはFisherの「検定は「『学習の手段』である」という考え方に賛成していた。
scholar.google.co.jp/scholar?cluste…
PDF errorstatistics.com/wp-content/upl…
Statistical Concepts in Their Relation to Reality
E.S. Pearson
1955
統計学にお墨付きを求めてはいけない。
通常は、1つの研究グループが得た1つのデータセットに基く1つの統計分析だけで、科学的なお墨付きが得られたとはみなされない。複数の研究を総合しないと科学的に確立した結果にならない。

scholar.google.co.jp/scholar?cluste…
↓
tandfonline.com/doi/full/10.10…
Inferential Statistics as Descriptive Statistics:
There Is No Replication Crisis if We Don’t Expect Replication
V. Amrhein, D. Trafimow & S. Greenland
2019
例えば効果の大きさの過大評価に基づいて検出力が80%になるようにサンプルサイズを設定して再現実験をやると、真の検出力は80%よりも小さくなる。

scholar.google.co.jp/scholar?cluste…
Forcing a deterministic frame on probabilistic phenomena: a communication blind spot in media coverage of the “replication crisis”
C. Ting, S. Greenland
Science Communication, 2024
の音声概要↓
* 1つの統計分析だけでお墨付きが得られるという間違った期待
* ダメな科学研究と誤りを認めない研究者
の問題。PハッキングやHARKingのような詐欺の問題に矮小化するべきではないです。

(再び)ええ、ええ、皆さんが詐欺の疑いについて話している理由は分かります。でも、私たち残りの人たちにとって重要なのは、再現性の欠如と科学の欠陥であって、詐欺の可能性や非難ではありません。
2025年5月3日
Andrew Gelman
音声概要
その悪影響
↓

J.D. Vance米国副大統領のような人物は科学研究費を削ることを正当化するために「再現性の危機」に関する間違った言説の普及の結果をありがたく利用しています。
仮説検定の理論は数学的フィクションに関する数学的理論として重要だが、現実での意思決定法としては使えない。

peerj.com/preprints/2765…
Abandoning statistical significance is both sensible and practical
Valentin Amrhein, Andrew Gelman, Sander Greenland, Blakeley B. McShane
2019 April 16
To the Editor of JAMA
の音声概要
m4a: genkuroki.github.io/audio/74%20Aba…
翻訳: github.com/genkuroki/genk…
しかし、それをそのまま複雑な現実における意思決定の方法として使っても良いかのように誤解させる教え方をしてはいけない。

学習の手段として良いものを提供するための1つの考え方に過ぎない。現代的には良いP値の構成法。
より一般に数理統計学における最適性の結果は現実の意思決定における最適性を意味しない。
AGGM2019の内容は合理的なので、統計学教育はこれに矛盾しないように注意が必要。
github.com/genkuroki/genk…

github.com/genkuroki/genk…
【私たちは、科学において統計的有意性に基づく「フィルタリングプロセスがノイズに溺れるのを避けるために有用である」という意見には同意しません。むしろ、そのようなフィルタリングは有害であると見ています】
モデルと現実の混同は非科学的な思考の典型例なので排除する必要があります。続く
それが成立するのはモデルが現実で妥当な場合に限ります。そもそも95%の意味の説明に繰り返しは無用。続く
モデルの確率分布に従って生成されたデータから計算される95%信頼空間にデータの生成に使ったモデルのパラメータの値が含まれる確率は95%で近似される。
95%信頼区間の95%はモデル内確率(数学的フィクションにおける確率)に過ぎません。続く
酷い説明なので明瞭に否定して行く必要があります。
しかし、信頼区間の教科書的な標準的説明を学生が分かってくれない理由はシンプルに「科学的に間違っているから」だとすると筋が通ると思います。
特定のモデルとP値に関する5%の閾値の下で
データの値と比較的相性が良いとみなされるパラメータの値の範囲
と説明しておくと安全なわけです。
↓

特別な理由がない限り、P値が5%未満であるか否かによる二分法を安易に行うべきではない。
つまり、科学的にまともでありたければ、統計的有意性による二分法は原則として避けるべき。続く








