#統計 doi.org/10.1186/s13054… Death by p-value: the overreliance on...

doi.org/10.1186/s13054…
Death by p-value: the overreliance on p-values in critical care research
Sharad Patel & Adam Green
2025
色々問題がありそうな論文なので注意が必要。
まずタイトルが酷い。著者達は「統計的有意性」の問題を「P値」の問題と混同させようとしている?続く

I救急領域の臨床研究において、ベイズ統計による分析を加えるべきではないかというレビュー
・頻度論でのP<0.05で判断すると、ギリギリのラインにいる研究結果がでた場合、臨床的な効果がある可能性があるにもかかわらず、見過ごしてしまう可能性がある(1/n)
#当麻_ICUその他
このnature論説は「P値の廃止」を提案しているとよく誤解されているのですが、共著者の一人のGreenlandさんは逆に(有意性抜きでの)P値達の使用を推奨しています。

ASA声明もP値の使用を否定しておらず、その間違った使い方を訂正するための処方箋が書かれています。続く
P値<5%であるか否かで安易に二値的判断を下している論文が出版され続けている分野は科学的レベルの低い信用できない分野だと評価するべきだと提案するならば合理的だった。続く
そういうレベルの論文が出版されていること自体が問題視されるべきだと思いました。査読にもかけず門前払いが妥当でしょう。
P値の代わりにP値を使うことを提案しているのと同じ。続く
事後確率とP値では数学的定義は全く異なるのですが、近似的に一致する場合が結構あります。続く
豊田秀樹さんはその典型例です。続く
P値を理解していない人が書いたP値を使った論文が大量に出版されていること自体が大問題。続く
θが効果の指標のときのc=0の場合に限ったP値(null P値)のみをP値だと考えることは有害な誤りです。続く
仮説θ≤cの片側P値
とベイズ統計における
(仮説θ≤c成立の事後確率)=1-(仮説θ≥c成立の事後確率)
が近似的に一致する場合には、「仮説θ≥c成立の事後確率」が大きなことと、「仮説θ≤cの片側P値」が小さいことは論理的にほぼ同値。続く
しかし、片側P値が10%からの20%程度であることだけを理由にそうすることはやめた方がよい。続く
効果が臨床的に十分大きいことを意味する仮説θ≥cが成立する事後確率が80%から90%程度になっただけで、その治療法を試す価値があると安易に判断するべきではないと思います。
総合的に判断することが必要です。

(解釈間違っていたらごめんなさい)
(10/n)
ベイズ統計の方法はもっと使われて良いという意見には賛成ですが、間違った考え方を医学に持ち込むのはまずいので注意が必要です。続く

医学領域においてはベイズ統計がもっと入ってきてもいいんじゃないかな、と思います
自分たちが日々臨床医としてしていることは、まさしくベイズ更新そのものなので、
(9/n)
講演スライド(2022) biostat.ucdavis.edu/sites/g/files/… は率直な説明がされていて分かり易いです。
P値とベイズに__共通して__注意するべきことは多い。

I救急領域の臨床研究において、ベイズ統計による分析を加えるべきではないかというレビュー
・頻度論でのP<0.05で判断すると、ギリギリのラインにいる研究結果がでた場合、臨床的な効果がある可能性があるにもかかわらず、見過ごしてしまう可能性がある(1/n)
#当麻_ICUその他
1. P値<5%という基準による二値的判断の横行はP値の使用そのものの問題ではないこと
2. 結構多くの場合に「仮説θ≤c成立の事後確率」と「仮説θ≤cの片側P値」が近似的に等しくなること
この2つをチェックすれば有害言説を判別できます。
頻度論(頻度主義)に従うことと
NHST(帰無仮説有意性検定)を使うことと
P値を使うこと
の区別が曖昧なことです。P値はNHST(だけ)のための道具ではありません。Sander Greenlandさんの解説を読むべき。
biostat.ucdavis.edu/sites/g/files/…

P値は所謂NHST(帰無仮説有意性検定)のための道具ではない
という事実も認識できていないと思います。実際、経済セミナー2022年6・7月号に掲載された記事ではP値をNHSTのための道具扱いしています。
Greenlandさんの主張は以下のリンク先の通り。
ベイズ統計ではより厳しくこれと同じ注意が必要です。事後確率だけを見て最終的な判断を下してはいけない。続く
ベイズ統計の方法で得られる事後確率という名のフィクションと現実を繋げることは非自明な問題になります。続く
そういう性質のせいで、どちらを使っても現実の実践における解釈は常に難しくなる。「ベイズなら解釈が易しくなる」という主張は極めて有害な誤りです。全然易しくならない。
「臨床的に十分大きな効果が得られる事後確率は85%以上である」と言われると、現実での確率が85%以上だと誤解する人が出て来やすいことは明らかでしょう。その誤解は危険過ぎるので徹底的に潰す必要があります。
ベイズ統計については、P値の場合と同様にもしくはより強力に
「お前がそう思うんならそうなんだろうな お前ん中ではな」的な解釈
を強調した方が安全だろうという話。
↓

「お前がそう思うんならそうなんだろうな お前ん中ではな」
(「お前」は「主観」または「事前分布も含むベイズ的なモデル」)
的な結果だとみなされるべき。
「お前ん中ではな」的な結果を現実に繋げることは非自明な問題になります。
このスレッド中に出て来た「お前ん中ではな」問題はStatistical Rethinkingでの「small worlds」問題に対応しています。「小さな世界」の統計学観は実践的な統計学の応用では害になります。続く

xcelab.net/rmpubs/sr2/sta…
で無料で読めます。
Small Worldは「モデルの前提を疑わなくても良い世界」(実践的にはアウト)のような意味で使われています。
統計的意思決定論(決定理論)は、モデルが正しいことを当然の前提にする「小さな世界」でのみ有効な理論(「お前ん中ではな」的な理論)の典型例になります。
統計的意思決定論を直接的にかつ安易に現実に応用してはいけない。
渡辺澄夫さんによる解説
↓
warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid…
そういう結果を習った人はその方法が現実でも最適だと誤解してしまいがち。
「小さな世界」「地元では最強」「お前ん中ではな」問題。
Sander Greenlandさんによる解説
↓
biostat.ucdavis.edu/sites/g/files/…
P値についてもベイズ統計についても「お前ん中ではな」的な(「モデルん中ではな」的な)安全な解釈が必要なのに、過信する方向の誤解が多い。
そういう対立を煽ってベイズを勧める人たちは積極的にクズ扱いしていかないとまずいというのが私の理解です。𝕏にもいるので要注意。
1980年の次の論説を参照。
ismrepo.ism.ac.jp/records/32568
統計的推論のパラダイムの変遷について
P値はモデル内確率分布でデータの数値以上に極端な値が生成される確率(の近似値)なので、やはり「モデルん中ではな」と解釈しないとダメ。
ただし、ベイズの場合はモデルが事前分布を構成要素として含む点がP値の場合とは違い、compatibilityの測り方も違います。続く
この結果は一般の線形回帰まで一般化されます。続く
そういう事前分布の違いが本質的な場合以外にベイズ版線形回帰を使う必然性はない。
モデルが複雑だと本質的な違いが出て来ます。
この辺りの事情について正直に説明せずにベイズ法とP値法の違いを解説している人は率直に言って信頼度が低いです。
例えば多重比較の問題はベイズの場合にも気にする必要があります。ベイズであっても都合の良いタイミングでデータ取得を止める行為は研究不正になる。続く
しかし、現実には、私とは真逆に、P値とベイズは水と油で、P値では不正になることがベイズでは許されるかのように説明する人達がいる。頭の痛い問題。
ベイズでの事後確率もP値もモデル依存であり、しかもベイズの側には事前分布がモデルに追加されており、モデルの現実での使い方での妥当性の判定はより難しくなっています。続く
P値や信頼区間であろうが、ベイズ統計の計算結果であろうが、それが現実の様子を直接表していると考えることは誤り。

「お前がそう思うんならそうなんだろうな お前ん中ではな」
(「お前」は「主観」または「事前分布も含むベイズ的なモデル」)
的な結果だとみなされるべき。
「お前ん中ではな」的な結果を現実に繋げることは非自明な問題になります。
p(x|μ, t) = 0.5ϕ(x) + 0.5ϕ((x-μ)/σ)/σ
(ϕ(x)は標準正規分布の密度函数
がモデルの場合がある。この場合には何らかの意味でベイズ的な方法を使うべきだと思います。
github.com/genkuroki/publ…
尤度関数が単峰型にならずに異様な形をしています。
尤度関数が単峰型にならない場合には最尤法は使わない方が良いです。そういう場合にはベイズ法を知らないと困る。
github.com/genkuroki/publ…
Robins-Ritov 1997の例とそのシンプル版のWassermam 2004の例は非常に有名です。以下のリンク先スレッドに簡単な解説があります。

Robins-Ritov 1997の例を単純化したものがWasserman 2004の本に載っている。続く
「あらゆる場合にベイズ統計が優れている」と信じたい人にとって不都合なRobins-Ritov 1997の例やWasserman 2004の例にも触れておいた方が正直。
一方、自分の目的に合わせて設計されたオーダーメイドのモデルによる統計分析については、ベイズで説明した方が楽だと思います。P値でやるのは非常に大変。
詳しくは渡辺澄夫著『ベイズ統計の理論と方法』第4,5章を参照。

p(x|μ, t) = 0.5ϕ(x) + 0.5ϕ((x-μ)/σ)/σ
(ϕ(x)は標準正規分布の密度函数
がモデルの場合がある。この場合には何らかの意味でベイズ的な方法を使うべきだと思います。
github.com/genkuroki/publ…
その見方とは「統計分析の計算結果はデータの数値と採用したモデルの関係を表しており、現実に関する結果を直接的には表していない」ということ。
統計学のような超複雑な道具については「ケースバイケースで考えよう」を基本にして行かないといくらでもおかしな考え方をできる。
discourse.datamethods.org/t/language-for…
ChatGPTによる翻訳
↓

添付画像は
Language for communicating frequentist results about treatment effects discourse.datamethods.org/t/language-for…
のSander Greenlandさんの発言。
Ritov, et al. 2014, pp.635-636は
* projecteuclid.org/journals/stati…
* arxiv.org/abs/1203.5471
のSummaryの節。
discourse.datamethods.org/t/language-for…
をChatGPTに再翻訳させた結果。"compatibility"を「相性の良さ」に、"compatibility interval"を「良相性区間」に翻訳せよという指示を出した。
Sander Greenlandさんのような超大物がインターネット上で率直かつ気軽に発言してくれていたことは非常に助かる。
discourse.datamethods.org/t/language-for…
「効果θはcである」(cは任意の数値)の型の仮説達のP値全体を考えるとき、そのP値達はベイズ統計におけるθに関する事後分布の代替物の役目を果たします。
↓

頻度論(頻度主義)に従うことと
NHST(帰無仮説有意性検定)を使うことと
P値を使うこと
の区別が曖昧なことです。P値はNHST(だけ)のための道具ではありません。Sander Greenlandさんの解説を読むべき。
biostat.ucdavis.edu/sites/g/files/…

discourse.datamethods.org/t/language-for…
をChatGPTに再翻訳させた結果。"compatibility"を「相性の良さ」に、"compatibility interval"を「良相性区間」に翻訳せよという指示を出した。

「効果θはcである」(cは任意の数値)の型の仮説達のP値全体を考えるとき、そのP値達はベイズ統計におけるθに関する事後分布の代替物の役目を果たします。
↓

歴史的には偉い人達による低レベルなベイズ推し言説がベイズ統計の普及を遅らせた面が結構あると私は思っています。

↓
github.com/genkuroki/publ…
ベイズ的な事後分布における確率(事後確率)を現実における実践的な意味での確からしさだと混同させる論文は厳しく非難されるべきである。
「P値は5%より大きかったが、事後確率は高いので良い」は誤り。
genkuroki.github.io/audio/#10
これを平気でやる人達はアウト。
仮説θ≤cの片側P値
とおとなしめの事前分布に関する
仮説θ≤cの事後確率
の近似的な一致をコンピュータで確認しまくれば、P値と事後確率の定義は全く違っていても、近似的な関係があることを誰でも確認できます。
査読で即リジェクトしていいレベル。
おそらく査読者もレベルが低い。

doi.org/10.1186/s13054…
Death by p-value: the overreliance on p-values in critical care research
Sharad Patel & Adam Green
2025
色々問題がありそうな論文なので注意が必要。
まずタイトルが酷い。著者達は「統計的有意性」の問題を「P値」の問題と混同させようとしている?続く













