#統計 東京大学出版会の『統計学入門』を警告抜きに他人に勧めるような人は統計学を全然理解していない人の可能性が高く要注意です。...

あちこちにおかしな説明が地雷のように敷設されている本です。
例えば、『統計学入門』でのWelchのt検定での自由度の扱いもなぜか整数化しており、おかしいです。

へたをするとこれが高校数学にも伝搬する恐れがある。
この本で勉強した人はどこで恥をかくことになるか予測不可能かもしれません。
読者が注意するべき不適切な説明のリスト
を誰か作った方が良いと思います。
この本は多くの人が読んでいるので、すでにそういうリストを作った人がいても不思議ではないです。是非とも公開して欲しいです。
不適切な説明が多いことを承知で読む
のと、
そうとは知らずに
内容をそのまま受け入れてしまう読み方を
不幸にもしてしまって、
この本の説明はあちこちとても酷いことを後で知って
がっかりする
のでは、その後のやる気が大きく違って来ると思います。
よく分からない説明については正直に「分からない」ことを認めるべき。それくらいまずい説明。続く
帰無仮説 H₀: μ=15
対立仮説 H₁: μ≠15
という両側検定の設定を考えましょう(『統計学入門』p.237)。
問題:対立仮説はμ≠15という数式で表される単独の仮説であるか?
この問題に即答できないと対立仮説について理解したことになりません。
続く
帰無仮説μ=15の両側検定の設定における対立仮説の正体は、
15以外の数値aで決まる仮説μ=aの
全体で構成された仮説の集合
になります。
この設定は検出力の話に繋がって行きます。続く
検出力の定義は、μ=aと設定された統計モデル内で生成されたデータにその検定法を適用したときに帰無仮説μ=15が棄却される確率です。
つまり、検出力はaの函数になる。続く
しかし、両側検定の場合にはその意味でベストな検定法は存在しない。
一方、片側検定ではaの動く範囲が15未満または15より大きいの片方に制限されるので、上の意味でベストの検定法を尤度比検定として作れます。
複合仮説としての対立仮説
と
検出力を高くしたいという要請
の関係について考察して初めて理解できることです。
両側検定の対立仮説をμ≠15と書かれる単独の仮説だと誤解させるような説明はやめるべきです。
帰無仮説 μ=15
対立仮説 μ≠15
は、対立仮説が「μは15でない」という単独の仮説であることを意味せず、対立仮説は数値a≠15に関するμ=aという仮説全体であることを理解できると思う。
この辺は多くの人が誤解しており、そにせいで両側検定を理解できなくなっていると思う。
Lehmann, Testing Statistical Hypotheses, 1959 (初版)
でクリアに説明されています。
twilog.org/genkuroki/sear…
このスレッドでこの不満を解消したつもり。

しかしずれが大きいとアウトになります。
詳しくはツイログを参照
↓
twilog.org/genkuroki/sear…
例えば、正規分布から少し違う母集団分布に、正規分布モデルを使った分散の区間推定を適用すると誤差が大きくなり易く危険です。
それとは対照的に、正規分布モデルを使った平均の区間推定は誤差が小さくなり易いです。

しかしそこに書いてあることだけで実践に役に立つレベルに理解には至らないと思います。コンピュータを使って、非正規母集団の場合に関する数値実験の経験が必要。
そのとき、Bernoulli分布モデルの尤度函数(=モデル内での表の出る確率を意味するパラメータ0≤p≤1にモデル内で2回続けて表が出る確率を対応させる函数)はp↦p²です。
これを最大化するpはp=1になります。続く
仮に最尤法がそういうものなら、最尤法はクズ同然であり、存在意義はないと結論できます。続く
これだけの話なのだから教科書でもそのように説明して欲しいものだと思います。続く
その区別を明瞭にしていれば、非常識な考え方を受け入れる失敗を犯さずに済むと思います。
点推定は確率的に誤差を含むので、その誤差の程度が分かるような情報と合わせて報告することが普通です。多くの場面で、信頼区間も同時に報告する習慣になっています。
正規分布モデルにおける平均μと分散σ²の最尤推定の結果=標本に尤度の意味で最も相性の良いパラメータ値は、μ=(標本平均)、σ²=(不偏補正無しの標本分散)になります。
モデルが複雑になると最尤法の適用が不適切になることがあります。そのような場合には事前分布を使う方法が有用になることが多い。ベイズ主義と無関係にベイズ統計は強力な方法です。

* 信頼区間の計算では通常パラメータを持つモデル(例えば正規分布モデルや二項分布モデルなど)が使われる。
* 95%信頼区間の95%はそのモデル内での標本分布で測った確率(の近似値)になる。
* 使用したモデルが現実において妥当でなければ、信頼区間は信頼できないものになる。

統計的有意性とP値に関するASA声明 biometrics.gr.jp/news/all/ASA.p… は必読で、講義動画 ocwcentral.com/subjects/01GB4… には時代遅れな説明が書いてある教科書に批判的コメントがある。
これらの代替案に従えば無難。

例えば、統計学入門の教科書によく書いてある誤解が素晴らしい講義で指摘されていたりする。
↓
ocwcentral.com/subjects/01GB4…

偏っている研究群についてのメタアナリシスは偏りを強化する。
統計学への入門時にしんどい思いをさせられる面倒な計算の経験は、『統計学入門』のような問題のある教科書を読んだ場合であっても、そのまま活きます!
知識の訂正は比較的容易だと思います。
実際にそうなればめっちゃ建設的。
例えば、丹後俊郎『統計学のセンス』(1998)の1.3節でのWilcoxonの順位和検定の解説は、よく見る誤用そのものです。
統計学入門書の説明の中にはこのように有害な解説がよく見つかる。

以下のリンク先のリンク先で引用されている丹後俊郎『統計学のセンス』(1998)では
❌母分散が大きく異なる図(b)(c)の場合への対策として、Wilcoxonの順位和検定の使用
を勧めています。これはかなり酷いです。
統計学入門の本の多くは結構基本的な事柄について有害な説明を含みます。

多分、Wilcoxonの順位和検定=Mann-WhitneyのU検定などのノンパラメトリック検定に関する最も有害な誤解。
この最悪の誤解のせいで、統計学の誤用が大量発生していると思われる。

整数とは限らない自由度νのt分布に近似的に従う。
数表を使う計算ではνの代わりにνに最も近い整数を使うことがある。
と正しく説明せずに、
近似的に~ν~に最も近い整数の自由度のt分布~に従う
となっているので、32年前の時点でもアウトです。
パラメータθに関する仮説の検定
と
パラメータθの信頼区間
が表裏一体であることが分かる解説であれば真っ当な解説だとみなせると思います。
これをスタンダードな説明にするべき。
「自動書き起こし」にある文をクリックすると動画も該当箇所に移動できます。
ocwcentral.com/subjects/01GB4…
ocwcentral.com/subjects/01GB4…

否定するべき対象にP値そのものが含まれていないことに注目!
続く
Greenlandさん達やMcElreathさんはその意味での「矛盾」の反対の意味で「compatible」という単語を使っています。
その意味でのcompatibleの日本語訳が悩ましい。
データの数値とモデル+パラメータ値のcompatibility
の意味でのcompatibilityを「互換性」と訳すのは多分まずい。
「相性のよさ」と緩く訳すか、「両立性」と堅めに訳すか?
この辺、ずっと揺れ動いている。
引用
❌両側5%水準の検定で、有意にならない真の値の範囲
における「真の値の範囲」は誤りで正しくは「モデルのパラメータ値の範囲」です。
⭕️両側5%水準の検定で、有意にならないモデルのパラメータ値の範囲
どんなに素晴らしい講義でも全てが正しいと信じて聴くと危ない。

これをスタンダードな説明にするべき。
「自動書き起こし」にある文をクリックすると動画も該当箇所に移動できます。
ocwcentral.com/subjects/01GB4…
その信頼区間は標本を取得した母集団の分散の真の値の範囲ではありません。
その信頼区間は、閾値5%で標本の数値と相性が悪過ぎないと判定された正規分布モデルの分散パラメータの範囲です。
ASA声明でのP値のおおざっぱな定義中の「データ」という語は「統計モデル内の確率分布に従ってランダムに生成されたデータ」という意味です。観察データではない。
biometrics.gr.jp/news/all/ASA.p…
一方、現実でのデータの取得は予算や倫理や物理的制約によってかなり大変。
統計分析の数学的仕組みの基本は、モデル内で無数に生成可能な仮想的データと現実から得た1組のデータの数値を比較することです。
現実から得たデータの値D以上に極端なデータの値がモデル内で生成される確率もしくはその近似値。
尤度の定義は、
現実から得たデータの値Dと同じ数値のデータがモデル内で生成される確率または確率密度。
現実のデータとモデル内データの比較が基本。
現実から得たデータの値Dと同じ数値がモデル内で生成された場合に制限することによって、モデルの確率分布の条件付き確率分布を構成する。
これがベイズ法での、現実のデータとモデル内データ生成の比較法です。
比較して相性が滅茶苦茶悪いとわかった場合には、モデルまたは現実から取得したデータの少なくとも一方は疑わしいと分かる。
しかし、視認だけに頼るのは危険なので、相性のよさの指標を適切に定義して計算する仕組みを整備しておくべきです。
それが、P値や尤度や事後分布です。
現実から得たデータの数値
と
モデル内でのデータの生成法
の相性のよさの指標になっています。
主義思想哲学原理でどの道具を選択すると非科学的な思考に陥るので控えた方が良いです。
自分の目的のために適切で楽に使えるものを使えばよい。
と
モデル内でのデータの生成法
の相性のよさの指標にはP値と尤度と事後分布の3つがある。
その3つの定義は全然異なるのですが、モデルがシンプルで尤度函数が短峰型の釣鐘型になっている場合には、その3つはどれを使っても結果は大して変わらないことを示せます。
モデルがちょっと複雑になるとそれが崩れて、ベイズ統計を適切に使うことを検討した方が無難になります。主義思想哲学原理でそうなるのではない。数学が大事。
現実から得たデータの数値とモデル内でのデータの生成法の相性のよさの指標
が基本的であるというアイデアを、compatibilityという用語を使って普及させようとして来たとみなせます。
「有意」や「信頼」よりもcompatibleの方がニュートラルな用語で好ましい。
私はこの辺に新時代の統計学教育のスタイルの収束を期待しています。
主義哲学思想原理で考えることは最初から相手にされていない。

compatibilityはGreenlandさん達の論文 journals.sagepub.com/doi/10.1177/02… のキーワードでもあります。
我々もこういう方向に一緒に進むべき。














