>「自分は本じゃなくて、自分自身の経験から学ぶようにしている」 とてもポピュラーで、かつ有害な主張なので、...

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>「自分は本じゃなくて、自分自身の経験から学ぶようにしている」

とてもポピュラーで、かつ有害な主張なので、
どこかで出会った場合に役立つよう、この主張の問題点を整理しておきます。

①経験は歪んでいる、②統計的に薄弱、③書物は脳を拡張する、④歴史的に失敗多、⑤主張自体が自己矛盾
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①認知バイアスと記憶の脆弱性

ヒトの経験は確認バイアス・利用可能性ヒューリスティックなどの系統誤りに常に晒され、経験の記憶は想起のたびに再構成される。「経験=歪んだ都合の良いフィクションの再話」に過ぎない。
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②サンプルサイズ n=1 の統計的不備

個人経験は母集団を代表しない極小データであり、そこから一般法則を導くのは「小さな数の法則」の誤謬である。
「経験から学んだもの」は、再現性も外的妥当性も保証されない。
4
③書物=認知拡張装置

本は他者の試行錯誤を外部メモリに凝縮した装置であり、読む行為は自分の脳を社会的ネットワークに接続して計算資源を拡大することに等しい。経験至上主義者はこの拡張機能を自滅的に棄却している。
5
④歴史が示す累積知識の威力と独断の悲劇

文字の登場以後、文明は「他者の記録」の上に指数関数的に発展した。
先人の知見に反発する独断的経験主義は、ルイセンコ農法のような大飢饉を招き、知識拒絶の危険性を繰り返し実証している。
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⑤自己矛盾

「自分の経験だけ信じよ」という命題を、主張として他者に伝えた瞬間、それは相手にとって「他者の言説」となり、自壊する。
現代文明は多くの「他人(先人)の知」の上に成り立ち、「本からは学ばない」と豪語する人であっても、自分が直接経験していない知識に日々頼っている。
7
⑥(おまけ)最悪死ぬ

「経験からのみ学ぶ」ことの最大の問題点は、失敗すると最悪死ぬことである。 「経験からのみ学ぶ」に固執すると、スキナー型生物まで逆戻り。
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