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岡本隆司『二十四史』読了しました 本当にびっくりするほど安定したある意味無難すぎるくらいの入門書でした これが1000円ならこれからの学部生は楽でええのうってなるくらいに本当にコンパクトにまとまってる… とりあえず座右に置いて困らないタイプの本です、復習にもよいですね

なんでこうなったかはあとがきを読めばわかります 私みたいに無駄に身構えちゃってたやつは先にあとがき見てからよめばよかったですね あとでまた触れますが「やらねば…ならぬか…」くらいの滑り出しだったようでそれも筆致に影響したかもしれません(まあ仰るとおり湖南とかいう巨人がでかすぎる

さて内容ですが、本当に安定してコンパクトなタイトル通りの本です。 なんでこの本が書かれたかというと 中公編集者「こないだ『六国史』出したんで、その姉妹編として二十四史がほしいんですよね」 岡本先生「何て法外な」(※原文ママ) という流れだそうです

しかしながら岡本先生、こういう発想が出るのでは日本の東洋史学界はなんのためにあるのか、いやしくも中国史家のはしくれ、この依頼は承けねば沽券にかかわる――ということで書かれたそうです。なぜそう思われたかというあたりの話は本文終章でも触れられていますのでぜひ

本文の内容についてはご本人も「不朽の古典的名作」「いかに古くなっても、筆者のごとき物知らずの無学な徒でなくては、小著のごとき無謀な試みはしない」「ずっと額縁になってもらい、またその趣旨を伝えるようにした」と仰る湖南『支那史学史』の評を往々に引きながら書かれており(続

私も遠い昔読んだだけで(おいこらタコ)ちょっと自信はないですが、もう少し手近で頼りにしていた増井『中国の歴史書』の記憶などともあわせて考えるに本当にクラシックな「史学史」という印象を受けました。しかしそれは内容が古いというわけではなく、岡本先生の浩瀚な知識と(続

咀嚼された近年の成果も自然に織り込みながら読みやすくアップデートされており、史学史の先行として名のあがる湖南・市定(「中国史学入門総論」)・増井・竹内(『「正史」はいかに書かれてきたか』)が古くなりまた網羅的でないことを補う書になっていると思いますね、あと何より安くてコンパクト

ただなんかねえ三国について妙にアレで、「(正統観念の希薄さを論じて)当時の中原・西晋の知識人・エリートたちは、かつて辺境にあった呉・蜀の存在など知らなかっただろう(いや魏にとっては常に頭の痛い外敵だし精神に仕えた蜀呉の著名人どこいった???)」とか、(続

「日本でも「三国志」といえば、通例この『三国志演義』を指す。陳寿の「正史」など、ほとんど知られていない」にいたってはあーた日本の三国志オタのみならず結構な範囲のサブカルにまでケンカ売ってる自覚あるか?くらいの顔にはなりました(こなみ いやでもまあ特に目立つのはそんくらいで…

普段あんだけ重箱の角をガンガンつついてるワイが身構えて読んでこれなんで(いうて中世以前は自分がガバなんであれですけど)、本当に手堅くまとまってると思います あと日本で出版された正史に関する訳注や概説を網羅的に紹介しててここもいいですね 勉誠の「中国史書入門」はオオトリですよ!

というわけで、「アカデミックトレーニングを受けていない歴史に関心がある層に」「東洋史のベースである二十四史(+清史)全体を簡易に紹介出来る新書」としては本当に堅実なものになっているとおもいます ただ想定されてる客層がこれ手に取るかなぁ?!?!?!(おい

いやだってこのタイトルで手ぇ出すの人物や事件からもう一歩踏み込もうとする程度の興味関心持ってる人…いやまあ読みやすいのでそういう意味ではいつ手にとってもいい本なのですが おすすめです、真面目にコスパがすごいよ(内容はもちろんとして