ヒルベルトは「科学的著作の重要さは,それによって不要になる以前の著作の数によって測られる」と言ったらしいのですが,理系と括られる分野の特徴をうまく表現しています.古代においても『原論』や『円錐曲線論』の著者は何人もいたのですが現存するのはユークリッドとアポロニオスのものだけです.
これはホメロスやギリシャ悲劇がその後に書かれた著作によって「不要」にはならなかったことは対照的です.しかし不要になった著作が多すぎる「偉大な著作」のせいで,その分野がどのように誕生し成長したのかを知ることができなくなり,歴史研究的には逆に困ってしまうこともあります.
ちなみに,このヒルベルトの言葉ですが「点,線および平面を椅子,机およびビールジョッキと呼んでもかまわない」という有名な言葉と同じく,知人や弟子筋の報告に基づくもので正確な典拠は不明です.
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