どちらの意見も誤解です。続くスレッドで少し詳しく説明しましょう。
#マシュマロを投げ合おう
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①「どうせ当落は変わらない」の数学的誤解
統計学者アンドルー・ゲルマンらは1票が勝敗を左右する確率(pivot probability)は「√(2 ⁄ π n) で近似できる」と示しました(正規近似を用いた Gelman–King 式)(n は有権者数)。
統計学者アンドルー・ゲルマンらは1票が勝敗を左右する確率(pivot probability)は「√(2 ⁄ π n) で近似できる」と示しました(正規近似を用いた Gelman–King 式)(n は有権者数)。

この式に前回の参議院選のデータを代入すると、pivot(決定票)確率は次のようになります。

1/1000という確率は、
ジャンボ宝くじの5等(10000円)の当選確率などが1/1000程度なので、確かに大きくはありませんが、激レアでもありません。
あなたの一票が選挙の勝敗を決することは、確かに珍しい事態ですが、信じられないほどレアではないことになります。
ジャンボ宝くじの5等(10000円)の当選確率などが1/1000程度なので、確かに大きくはありませんが、激レアでもありません。
あなたの一票が選挙の勝敗を決することは、確かに珍しい事態ですが、信じられないほどレアではないことになります。
「理論は所詮モデル」と思われるかもしれませんので、歴史的事例を挙げてみましょう。
小選挙区でなくても 1〜2万票どころか四ケタ差 が起きています。モデル値(1/1,000)より接戦が頻発するのは、実際の得票分布が「50 %±数%」帯へ自己収束するからです。現実は理論より奇ならずです。
小選挙区でなくても 1〜2万票どころか四ケタ差 が起きています。モデル値(1/1,000)より接戦が頻発するのは、実際の得票分布が「50 %±数%」帯へ自己収束するからです。現実は理論より奇ならずです。

全国比例(約 55 M 票)はnが大きく、pivot(決定票)確率はかなり小さくなります。

しかし党内順位・最終議席のカットラインは 千票程度である場合が多いようです。2019 年比例区では1,336 票差 で議席が動いた ケースがありました。これは「党をまたいだ総票」ではなく「党内順位」という分母が縮むからで、1票の重みは思った以上に小さくありません。
さらに「当落が変わらなくても」政策は動くことを忘れてはいけません。
例えば若年層が+2 pt投票すると「若者向け政策を 1 行でもマニフェストに加えねば」が現実のインセンティブです。
この周辺効果(pressure elasticity)は「pivot確率」の 10~100 倍くらいあると推定されます。
例えば若年層が+2 pt投票すると「若者向け政策を 1 行でもマニフェストに加えねば」が現実のインセンティブです。
この周辺効果(pressure elasticity)は「pivot確率」の 10~100 倍くらいあると推定されます。
②「無知だから行かないほうがマシ」への反論
(1)コンドルセ定理は「詳しくない」票を「知恵」に変換する
18 世紀に提唱された Condorcet Jury Theorem は「各有権者が 50 %+ε の正答確率を持つなら、多数決の誤判確率は 1/n に収束する」ことを示しました。
(1)コンドルセ定理は「詳しくない」票を「知恵」に変換する
18 世紀に提唱された Condorcet Jury Theorem は「各有権者が 50 %+ε の正答確率を持つなら、多数決の誤判確率は 1/n に収束する」ことを示しました。
近年は機械学習を応用して「p≤0.5 の“ノイズ投票者”が混じっても、重みづけで精度は改善できる」という一般化定理が証明されました。
arxiv.org/pdf/2211.08494
arxiv.org/pdf/2211.08494
さらに Page & Shapiro『The Rational Public』(1992)は 50 年分の世論調査を分析し、「個人回答は揺れても平均値は政策実績と高い相関となる」という“ミラクル・オブ・アグリゲーション”を実証しました。
jstor.org/stable/2749489
jstor.org/stable/2749489
要するに「自分は詳しくない」人たちの投票であっても、
「よく分からない票」はプラスにもマイナスにも程よくばらけているので、合成すると集団全体の判断精度は投票数が増えるほど上がっていく、と言うわけです。
「よく分からない票」はプラスにもマイナスにも程よくばらけているので、合成すると集団全体の判断精度は投票数が増えるほど上がっていく、と言うわけです。
投票という合成メカニズムは、ノイズは相殺するがシグナルは合算します。
無知票の誤差はプラスマイナスにばらけていて均衡しやすい。一方、自分の生活利害に関する直感(最低賃金、教育費など)は系統的で、集約されれば政策優先度を示す強いシグナルになるわけです。
無知票の誤差はプラスマイナスにばらけていて均衡しやすい。一方、自分の生活利害に関する直感(最低賃金、教育費など)は系統的で、集約されれば政策優先度を示す強いシグナルになるわけです。
(2)ポピュリズムに対する抵抗力
多数派がたった 4 割しか投票しない状況は、動員力のある極端勢力に“乗っ取り”の余地を与えてしまいます。
逆に、基礎投票率が高いほど、このリスクは指数的に下がります。
投票は、勝敗を決しない場合でも、守備力を上げます。
多数派がたった 4 割しか投票しない状況は、動員力のある極端勢力に“乗っ取り”の余地を与えてしまいます。
逆に、基礎投票率が高いほど、このリスクは指数的に下がります。
投票は、勝敗を決しない場合でも、守備力を上げます。
(3)“無知”より棄権は、害が大きい
分からないから棄権することは、自分が属する属性を政策テーブルから外す行為です。
何故なら、投票率の高低が、政治家が“誰の声を聞くか”を直接決めるからです。
分からないから棄権することは、自分が属する属性を政策テーブルから外す行為です。
何故なら、投票率の高低が、政治家が“誰の声を聞くか”を直接決めるからです。
内閣府 ESRI の都市パネル研究は、有権者中位年齢が1歳高い自治体ほど高齢者福祉費が増える「シルバー民主主義」効果を確認しています。
esri.cao.go.jp/jp/esri/archiv…
esri.cao.go.jp/jp/esri/archiv…
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